青年社長


青年社長(上) (角川文庫)

青年社長(上) (角川文庫)


青年社長(下) (角川文庫)

青年社長(下) (角川文庫)


「和民」の社長、渡邉美樹氏が会社を起し、発展させるまでの過程を「週刊ダイヤモンド」に連載していたものを加筆、修正した小説である。題名にもあるとおり、渡邉氏は、まだ若い経営者であり、この小説は、「和民」が株式上場するまでのところで終わっている。


この本を読む気になったのは、某テレビ番組で、「和民」のことがやっていて、その番組に渡邉氏が出演していて興味を持ったからだ。ま、その前に、某オンライン書店のメルマガのお薦め本に渡邉氏の本が紹介され、企業の社長が教育改革を行うために、学校経営に乗り出したという内容の本だったが、それを少し読み、興味を持ったのが始まりだろう。


この本を読んでみて感じたのは、番組で見た時の感じと、この小説に書いてある人物像では、印象が大分違うように感じる。ま、番組で見た時点とこの小説に書かれている時点では、時間が経過しているので、人物像が変化しているのも不思議ではないのだが・・・。


あと、この小説を読んで、渡邉氏には、人を引きつける人柄と強引とも言えるバイタリティを持っていると思った。個人的には、「つぼ八」の創業者の石井氏のことが書かれていて興味深かった。渡邉氏の幸運は、彼自身の人望にあり、そのおかげで多くの有能な方達と出会えたことだと思うが、その中でも最大の幸運は、石井氏に出会えたことだと思う。


石井氏自身にとっては、「つぼ八」の経営者という立場を追われたりしたことは、不幸だが、渡邉氏にとって、石井氏といういい見本がいたからこそ、うまくやってこられたと言ってもいいと思う。


この小説ではじめて高杉氏の小説を読んだのだが、文章自体は、非常に読みやすいと思う。個人的には、この小説以後の「和民」のことを書いていただきたいと思った。